● 中小企業診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスを行うコンサルタントで、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また、専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動を行う職業です。
● 中小企業診断士になるには、経営戦略、組織・人事、マーケティング、財務・会計、生産管理、店舗運営、物流、経済学、IT、法務と非常に幅広い分野の知識の他、問題解決力や説得力の基礎となるロジカルシンキングなど、コンサルティングに必要なスキルを習得し、国家試験を受けて国家資格を取得する必要があります。
● 中小企業診断士に似たものとして、MBA(経営学修士/Master of Business Administration)がありますが、MBAは学位であって資格ではありません。
● 中小企業診断士は、社内の経営企画・戦略立案に参画し広い視野から提言したり、経営コンサルタントとして中小企業を支援する職務で、MBAは、経営者または経営幹部として経営戦略の意思決定ができるようになるための資格になります。
● 中小企業診断士になるには、国家資格を取る必要があり、第1次試験、第2次試験(筆記、口述試験)及び実務補修・実務従事の3つのステップが必要になります。
① 経済学・経済政策
この項目には、マクロ経済学とミクロ経済学があって、マクロ経済学は一国を単位とした経済活動、ミクロ経済学は一企業や一個人の経済活動を分析するものです。
② 財務・会計
企業の財務状況等を把握するため、財務諸表等から得られる数値を理解・分析するために必要な知識です。
③ 企業経営理論
この項目は、事業領域の決定に関する経営戦略論、経営資源の人に関連する組織論、消費者のアプローチに関連するマーケティング論からなります。
④ 運営管理
この項目は、製造工程や品質管理等を中心とした生産管理と、店舗施設や立地、販売・流通等を中心とした店舗・販売管理に必要な知識です。
⑤ 経営法務
この項目は、経営にまつわるビジネス関連の法律を中心に、諸制度、手続等に関する実務的な知識を学習するものです。
⑥ 経営情報システム
この科目は、情報技術(IT)に関する領域、及び企業における情報システムに関する領域を扱うものです。
⑦ 中小企業経営・政策
この項目は、企業に対して的確なコンサルティングを行うための知識を身に付けるためのものです。
● 1次試験の合格基準は、以下になります。
・総得点の60%以上かつ、すべての科目で40点以上
・科目ごとの合格基準は、満点の60%以上
● 尚、中小企業診断士試験には合格有効期限があり、1次試験で合格した科目は3年間の有効期限があります。 1次試験で不合格となった場合でも、合格した科目があれば2年後までの試験では、その科目が免除となります。
① 筆記試験(年1回、通例10月下旬)
テーマ 1: 組織(人事を含む)を中心とした 経営戦略および管理に関する出題
テーマ 2: マーケティング・流通を中心とした 経営戦略および管理に関する出題
テーマ 3: 生産・技術を中心とした 経営戦略および管理に関する出題
テーマ 4: 財務・会計を中心とした 経営戦略および管理に関する出題
② 口述試験(年1回、通例12月中旬)
口述試験は、面接官2人に受験者1人という形式で実施され、試験時間は1人につき、約10分間で行われます。口述試験では、筆記試験の事例で出題された課題について、筆記試験とは異なる角度で質問されています。
● 2次試験の合格基準は、以下になります。
・筆記試験は、総点数の60%以上かつ、すべての科目で40点以上
・口述試験は、評定が60%以上
● 中小企業診断士の合格率は1次試験(絶対評価)、2次試験(上位約20%が合格する相対評価と言われている)ともに20%前後ですが、試験全体での合格率は4%前後と難易度は高いと考えられます。
● しかしながら、受験生の多くは働きながら、仕事の合間に学習をしている人が殆どである事から、学習に掛ける時間をつくり出すのは同じ状況と考えられ、可能性はあると思われます。
● 国家資格が取れれば、かなり幅広い分野で活躍することが期待できる資格になります。
● 中小企業診断士の詳細については、以下のホームページをご確認願います。
中小企業診断士のホームページ
● 学習先の事例を、参考までに下記に示しましたので、ご参照願います。
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